みなさんこんにちは!あおな(@aonalog)です。
この記事では、走塁を評価するセイバーメトリクス指標のwSBとUBRを使って、2019年のプロ野球における総合的な走力ランキングを紹介します。
一般的に盗塁王を獲得した選手が走力が高いと判断されがちですが、盗塁の成功率やベースランニングのうまさなど、野球における走力は他の部分も大事になってきます。
それらを評価するwSBとUBRの合算(Base Running)から、2019年シーズンで総合的な走力が高かった選手をランキングで見ていきましょう!
※データ参考:1.02 ESSENCE of BASEBALL
※規定打席到達者のみを対象
【2019年プロ野球】wSBランキング
まずは2019年プロ野球におけるwSBランキングを見ていきましょう。wSBは選手の盗塁能力を評価するセイバーメトリクス指標です。
順位 | 選手名 | チーム | 盗塁 | 盗塁成功率 | wSB |
1 | 山田哲人 | S | 33 | .917 | 3.9 |
2 | 金子侑司 | L | 41 | .804 | 3.2 |
3 | 大島洋平 | D | 30 | .811 | 2.1 |
4 | 源田壮亮 | L | 30 | .769 | 1.8 |
5 | 外崎修汰 | L | 22 | .786 | 1.5 |
6 | 西川遥輝 | F | 19 | .792 | 1.3 |
7 | 梅野隆太郎 | T | 14 | .875 | 1.1 |
7 | 荻野貴司 | M | 28 | .737 | 1.1 |
9 | 亀井善行 | G | 9 | .900 | 1.0 |
10 | 吉田正尚 | B | 5 | .833 | 0.5 |
10 | 岡本和真 | G | 3 | 1.000 | 0.5 |
10 | 大山悠輔 | T | 3 | 1.000 | 0.5 |
10 | 内川聖一 | H | 3 | 1.000 | 0.5 |
※S:ヤクルトスワローズ、L:西武ライオンズ、D:中日ドラゴンズ、F:日本ハムファイターズ、T:阪神タイガース、M:ロッテマリーンズ、G:読売ジャイアンツ、B:オリックスバファローズ、H:ソフトバンクホークス
盗塁の評価では、ヤクルトスワローズ・山田哲人選手が断トツの1位となりました。wSBには盗塁の成功率が大きくかかわってきます。連続盗塁成功記録で話題になった山田選手は、盗塁王こそ逃したものの、盗塁でのチームへの貢献度は12球団1位であったと言えます。
逆に、セリーグ盗塁王の阪神タイガース・近本光司選手はランクインしませんでした。盗塁成功率の低さが影響していると考えられます。
このランキングで個人的に面白いと感じたのは、読売ジャイアンツ・岡本和真選手や阪神タイガース・大山悠輔選手、ソフトバンクホークス・内川聖一選手と、あまり盗塁のイメージがない選手がランクインしているところです。
盗塁は成功すれば一気にチャンスが広がりますが、一方でリスクが高すぎるとの判断から、セイバーメトリクスでは否定されつつある戦略です。そんな中、少ない盗塁数でも確実に成功している選手が、wSBでは評価されるようになっています。
【2019年プロ野球】UBRランキング
次に2019年プロ野球におけるUBRランキングです。UBRは選手の走塁能力を数値化したセイバーメトリクス指標です。
順位 | 選手名 | チーム | 得点 | UBR |
1 | 大島洋平 | D | 89 | 7.5 |
2 | 荻野貴司 | M | 76 | 7.4 |
3 | 西川遥輝 | F | 88 | 6.4 |
4 | 鈴木誠也 | C | 112 | 5.6 |
5 | 近本光司 | T | 81 | 5.4 |
6 | 神里和毅 | DB | 62 | 5.2 |
6 | 外崎修汰 | L | 96 | 5.2 |
8 | 茂木栄五郎 | E | 86 | 5.0 |
9 | 源田壮亮 | L | 90 | 4.8 |
10 | 菊池涼介 | C | 77 | 4.6 |
※D:中日ドラゴンズ、M:ロッテマリーンズ、F:日本ハムファイターズ、C:広島カープ、T:阪神タイガース、DB:DeNAベイスターズ、L:西武ライオンズ、E:楽天イーグルス
12球団でベースランニングのうまさ1位に輝いたのは中日ドラゴンズ・大島洋平選手でした。また、僅差でロッテマリーンズ・荻野貴司選手が続いています。
ベースランニングでは、盗塁よりも長い距離を走ることが多く、ランクインした選手は軒並み俊足が自慢の選手たちになっています。
【2019年プロ野球】総合的走力ランキング
それでは、wSBとUBRの合算から、2019年プロ野球における総合的走力ランキングを見ていきましょう。wSBとUBRの合算はBase Runningとして、DELTA社におけるWARの算出にも用いられています。
順位 | 選手名 | チーム | wSB | UBR | Base Running |
1 | 大島洋平 | D | 2.1 | 7.5 | 9.5 |
2 | 荻野貴司 | M | 1.1 | 7.4 | 8.5 |
3 | 西川遥輝 | F | 1.3 | 6.4 | 7.8 |
4 | 外崎修汰 | L | 1.5 | 5.2 | 6.7 |
5 | 源田壮亮 | L | 1.8 | 4.8 | 6.6 |
6 | 金子侑司 | L | 3.2 | 2.9 | 6.0 |
7 | 近本光司 | T | 0.2 | 5.4 | 5.6 |
8 | 菊池涼介 | C | 0.4 | 4.6 | 5.0 |
9 | 茂木栄五郎 | E | -0.6 | 5.0 | 4.4 |
10 | 森友哉 | L | -0.2 | 4.5 | 4.3 |
※D:中日ドラゴンズ、M:ロッテマリーンズ、F:日本ハムファイターズ、L:西武ライオンズ、T:阪神タイガース、C:広島カープ、E:楽天イーグルス
総合的な走力をあらわすwSBとUBRの合算(Base Running)では中日ドラゴンズ・大島洋平選手が断トツで1位となりました。また、UBRでの上位3選手がそのままトップ3となっています。
これはUBR、つまりベースランニングのほうが盗塁よりも得点への貢献度が高いことに起因しています。
また、あまり走塁のイメージがなく、wSBとUBRのどちらにおいてもランクインしなかった西武ライオンズ・森友哉選手が、Base Runningでは10位にランクインしています。
さらに、西武ライオンズからは12球団トップの4人がランクインしており、破壊力抜群のバッティングだけでなく、走塁でもチームの得点を増やしていたことがわかりますね。
【2019年プロ野球】総合的走力ランキングまとめ
ここまで、2019年のプロ野球における総合的走力ランキングを紹介してきました。
結果として、wSBとUBRの合算からみた12球団で走力が一番高い選手は、中日ドラゴンズ・大島洋平選手でした。
また、盗塁よりも走塁のほうがよりチームの得点に対する貢献が大きいことがわかりました。盗塁はリスクが高く、ヤクルトスワローズ・山田哲人選手のように盗塁成功率が高い中で多くの盗塁を決めなければ、チームへの貢献度は低くなってしまいます。
しかし、盗塁は一気にチャンスを拡大したり、ピッチャーにプレッシャーをかけたり、流れを変えたりと野球の醍醐味の一つですよね。それらの点はwSBの算出に含まれていません。ここを数値化するのは困難を極めますが、今後新たなセイバーメトリクス指標がでることを期待したいと思います。
以上、あおなによる2019年プロ野球の総合的走力ランキングでした。最後までお読み頂きありがとうございました。
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