みなさんこんにちは!あおなです。
最近、プロ野球の試合やニュースを見ていると『QS(クオリティースタート)』という言葉をよく目にしますよね。
また先発投手の安定感を示すためにQS率というセイバーメトリクス指標も使われるようになりました。今回は、そのQSとQS率について、事例を交えて詳しく解説していきます!
QSってなに?まずはQSについて知ろう!
『QS』はQuality Startの略で、クオリティスタートと呼びます。QSの判断基準は以下の通りです!
先発投手が6回を投げて自責点3であった場合、その投手は最低限の仕事を行い「試合を作った」と評価することができますよね。それがQSなのです!
また、QSは他のセイバーメトリクス指標と異なり、複雑な計算を必要としない指標なのでとてもわかりやすいですよね!
さらに、QSを上回る7回以上を投げ自責点2以内で抑えた場合、HQS(High Quality Start)と言います。
QS率ってなに?次にQS率を理解しよう!
QSの意味が分かったところで、次は先発投手の安定感を示すQS率について解説していきます。QS率の算出方法は以下の通りです。
先発投手が勝利投手になるか否かは、味方打線の援護や救援投手の成績に影響されます。例えば、6回5失点でも味方の援護により勝利投手になることもあれば、7回1失点でも味方打線が振るわず負け投手になることもありますよね。そのため、勝利数は先発投手の実力だけでは積み重ねることができないのです。
しかし、QS率は勝敗に関わらず「先発投手がどれだけ試合を作ることができたか」をあらわすことができるため、QS率は先発投手の安定感を示すことができる指標なのです!
2018年の先発投手QS率を見てみよう!
それでは、QS率を理解したところで、2018年シーズンにおける先発投手のQS率をセパ両リーグに分けて見てみましょう!
※規定投球回数に達した投手のみ集計しています。
2018年度セリーグQS率
選手名 | チーム | 防御率 | 勝 | 負 | 先発 | QS | QS率 |
菅野智之 | G | 2.14 | 15 | 8 | 27 | 19 | 70.37 |
東克樹 | DB | 2.45 | 11 | 5 | 24 | 15 | 62.50 |
大瀬良大地 | C | 2.62 | 15 | 7 | 27 | 21 | 77.78 |
ガルシア | D | 2.99 | 13 | 9 | 26 | 17 | 65.38 |
ジョンソン | C | 3.11 | 11 | 5 | 24 | 14 | 58.33 |
メッセンジャー | T | 3.63 | 11 | 7 | 28 | 19 | 67.86 |
山口俊 | G | 3.68 | 9 | 9 | 21 | 13 | 61.90 |
ブキャナン | YS | 4.03 | 10 | 11 | 28 | 17 | 60.71 |
2018年シーズン、セリーグ最多勝を獲得したのは読売ジャイアンツ・菅野智之選手と広島カープ・大瀬良大地選手でした。勝ち星は同じですが、QS及びQS率を見ると大瀬良選手が菅野選手を上回っていますが、防御率は菅野選手が上回っています。さらに菅野選手は完封した試合が8であったのに対し、大瀬良選手は0です。
このことから、先発した試合でコンスタントに安定した成績を収めたのが大瀬良選手、完封など無双した試合が多かったのが菅野選手と言えますね!
2018年度パリーグQS率
選手名 | チーム | 防御率 | 勝 | 負 | 先発 | QS | QS率 |
岸孝之 | E | 2.72 | 11 | 4 | 23 | 16 | 69.57 |
菊池雄星 | L | 3.08 | 14 | 4 | 23 | 16 | 69.57 |
上沢直之 | F | 3.16 | 11 | 6 | 25 | 17 | 68.00 |
マルティネス | F | 3.51 | 10 | 11 | 25 | 17 | 68.00 |
西勇輝 | B | 3.60 | 10 | 13 | 25 | 15 | 60.00 |
則本昂大 | E | 3.69 | 10 | 11 | 26 | 15 | 57.69 |
涌井秀章 | M | 3.70 | 7 | 9 | 22 | 15 | 68.18 |
多和田真三郎 | L | 3.81 | 16 | 5 | 26 | 14 | 53.85 |
山岡泰輔 | B | 3.95 | 7 | 12 | 23 | 13 | 56.52 |
昨シーズンのパリーグ最多勝は16勝をあげた西武ライオンズ・多和田真三郎選手でした。しかし、多和田選手は最多勝を獲得したにも関わらず、QS率は規定投球回に達した選手の中で最下位、QSは14回と勝ち星を下回る結果でした。
また、楽天イーグルス・岸孝之選手と今シーズンからMLB・ロサンゼルスドジャースへ移籍した元西武ライオンズ・菊池雄星選手はQS、QS率が全く同じにも関わらず、勝利数の差は3つとなりました。
これらのことから、昨シーズンの西武打線がどれだけの得点力を持っており、チームの勝ちにつながっていたかがわかりますね!
QS率で先発投手の安定感を評価!まとめ
さて、ここまでQSとQS率について、2018シーズンの成績を交えつつ解説してきました。
まとめると、QS率は「先発投手の安定感を示す指標であり、勝利数よりも先発投手の実力をあらわすことができる」と言えます!
これから先発投手を評価する際には、勝利数だけでなくQSやQS率も使ってみてくださいね!
以上、あおなによるQSとQS率の解説でした。最後まで読んでくださったみなさん、ありがとうございました!
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