【野球】tRAは打球の種類も加えた投手評価【セイバーメトリクス】

みなさんこんにちは!あおな@aonalog)です。

野球の選手評価に用いられるセイバーメトリクスでは、投手の評価においてDIPS守備の影響と独立して投手を評価する)という概念が存在します。

そのDIPSの概念から生み出された評価指標の一つに『tRA』があります。みなさんはtRAを知っていますか?

tRAは投手がコントロールできる与四死球奪三振に加えて打球の種類が組み込まれた投手の評価指標です。

この記事では、そんなtRA詳しい意味や計算方法について解説していきます!

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tRAで与四死球・奪三振・打球の種類からピッチャーを評価

tRA(true Run Average)守備が関与しない=ピッチャーがコントロールできる与四死球・奪三振・被本塁打に加えてゴロやフライなどの打球の種類投手を評価するセイバーメトリクス指標です。

このtRAは選手の仮想的な失点率がリーグ平均の仮想的な失点率と比べてどうかを意味しています。

仮想的な失点率とは、選手の成績から推測される仮想的なアウトに対する仮想的な失点数です。

なお、tRAは野球選手の総合評価指標であるWARの算出にも用いられています。

・tRAは与四死球・奪三振・被本塁打・打球の種類でピッチャーを評価するセイバーメトリクス指標
・tRAは仮想的な失点率をあらわす

・tRAはWARの算出に用いられる

tRAの計算方法

tRAの算出方法は以下の通りです。

tRA = {(0.297×四球+0.327×死球-0.108×奪三振+1.401×被本塁打+0.036×ゴロ-0.124×内野フライ+0.132×外野フライ+0.289×ライナー)÷(奪三振+0.745×ゴロ+0.304×ライナー+0.994×内野フライ+0.675×外野フライ)×27}+定数

※定数:リーグ全体の[失点率-{(0.297×四球+0.327×死球-0.108×奪三振+1.401×被本塁打+0.036×ゴロ-0.124×内野フライ+0.132×外野フライ+0.289×ライナー)÷(奪三振+0.745×ゴロ+0.304×ライナー+0.994×内野フライ+0.675×外野フライ)×27}]
※各イベントの定数はシーズンごとに変化します。

tRAの計算はとても複雑です。また、リーグ全体の記録が必要なことから、プロ野球などの大きなリーグでしか扱えない点に注意が必要です。

参考:1.02 ESSENCE OF BASEBALL『tRA』

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tRAの見方

tRAの計算式における各イベントの定数を見てみると、奪三振内野フライだけマイナスとなっていることがわかります。

奪三振と内野フライはアウトになる確率が非常に高いです。よって、tRAの値が低ければ低いほど優秀なピッチャーと言えます。

tRAは低ければ低いほど優秀なピッチャーと判断

tRAとFIPの違い:打球の種類が含まれるかどうか

tRAに似たセイバーメトリクス指標としてFIPがあげられます。

FIPtRAはともにDIPSの概念から生まれた評価指標ですが、tRAの算出には打球の種類が含まれている、つまり「どんな打球を打たせたか」という部分までピッチャーの責任範囲としている点で異なります。

FIPとtRAの違いは打球の種類を含むかどうか
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2018年プロ野球tRAランキングTOP10

それでは、tRAについて理解したところで、2018年度のプロ野球tRAランキングTOP10を見てみましょう。

順位 選手名 チーム 防御率 tRA
1 菅野智之 G 2.14 15 8 2.97
2 則本昂大 E 3.69 10 11 3.16
3 菊池雄星 L 3.08 14 4 3.20
4 東克樹 DB 2.45 11 5 3.29
5 上沢直之 F 3.16 11 6 3.32
6 K・ジョンソン C 3.11 11 5 3.70
7 岸孝之 E 2.72 11 4 3.74
8 R・メッセンジャー T 3.63 9 9 3.76
9 西勇輝 B 3.60 10 13 3.84
10 多和田真三郎 L 3.81 16 5 3.88

※G:読売ジャイアンツ、E:楽天イーグルス、L:西武ライオンズ、DB:DeNAベイスターズ、F:日本ハムファイターズ、C:広島カープ、T:阪神タイガース、B:オリックスバファローズ

やはり、昨年の投手タイトルを総なめした読売ジャイアンツ・菅野智之選手がトップですね。なるべくしてなった成績と言えるでしょう。

逆に、2位の楽天イーグルス・則本昂大選手はランクインした選手の中で唯一、tRAが防御率を下回っています。この原因としては、則本選手が奪三振の多いピッチャーであることがあげられますが、他にも守備が足を引っ張った可能性や、不運なヒットが多かった可能性が考えられます。

tRAは打球の種類も加えた投手評価:まとめ

ここまで、ピッチャーを評価するセイバーメトリクス指標の1つである『tRA』について解説してきました。

tRAについてまとめると、

tRAは
与四死球・奪三振・被本塁打・打球の種類で投手を評価するセイバーメトリクス指標
・仮想的な失点率をあらわす
・WARの算出に用いられる
・低ければ低いほど優秀なピッチャーと判断
・打球の種類を含む点でFIPと異なる

となります。

この記事を参考に、tRAを使ってピッチャーを評価してみてくださいね。

以上、あおなによる『tRAの解説』でした。最後までお読み頂きありがとうございました。

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