みなさんこんにちは!あおなです!今日はMLB・エンジェルスVSレンジャーズをDAZNで観戦しながらブログ更新してます!
今回はプロ野球選手の守備力を評価するセイバーメトリクス指標である『UZR』について書いていきます!
みなさんはUZRという言葉、聞いたことがあるでしょうか?従来、守備力の評価にはエラーをしない確率である守備率が使われてきました。しかし、この守備率は打球の処理難易度や守備範囲、肩の強さなどが考慮されておらず真の守備力を評価することは困難です。
一方、セイバーメトリクス指標であるUZRは、エラーだけでなく守備範囲や肩の強さなど総合的な守備力をあらわすことができるため、選手の真の守備力を評価することができます!
この記事では、そのUZRについて詳しく解説していきます!ぜひご覧ください!
UZRってどんな指標?算出方法を解説!
『UZR』はUltimate Zone Ratingの略で、ミッチェル・リクトマン氏により2001年に提唱されたセイバーメトリクス指標で、『そのポジションにおける平均的な守備力の選手と比較してどのくらい失点を防いだか』をあらわします。
この章ではUZRの算出方法について解説していきます。
UZRの算出方法
UZRの算出方法はとても複雑です。また、膨大な量の守備機会データを用いるため個人で算出することは困難です。日本ではデータスタジアム社とDELTA社がプロ野球におけるUZRを提供しています。ここでは、DELTA社のUZR概要を引用させて頂きます。
UZRの計算では打球ひとつひとつについてグラウンド上のどこのゾーンに飛んだどのような打球かを記録する作業が行われる(ゴロ・フライ・ライナー等の種類、捕球位置までの到達時間など)。これに基づいて、打球の類型ごとに平均的にどれだけアウトの見込みがあるかが計算され、守備者はそのような「平均的な見込み」との対比で評価される。
打球処理の評価に加え、内野手であれば併殺処理の評価、外野手であれば送球による刺殺や走者の進塁を抑止した評価などが組み入れられ最終的なUZRの値となる。
出典:DELTA社, 1.02 ESSENCE of BASEBALL, 『UZR (Ultimate Zone Rating』
簡単にまとめると以下のようになります。
2. 記録に基づき、アウトになる確率を算出
3. アウトになる確率と実際の結果を対比し点数化
4. その点数に内野手は併殺能力、外野手は進塁抑止力の評価などをプラス
= UZRの値
また、ピッチャーとキャッチャーに関しても、守備範囲が狭いためUZRを算出しないのが一般的ですが、DELTA社ではキャッチャーのUZRを独自に算出しています。
UZRにおけるプラス評価・マイナス評価
では、実際にどのようなプレーがプラス評価、もしくはマイナス評価となるのでしょうか。
UZRの算出事例
例えば、三遊間にゴロが飛びました。このゴロはサードが処理した場合70%の確率でアウト、ショートが処理した場合50%の確率でアウトになる打球であったとします。そしてこのゴロをショートが処理し、アウトにしました。
このとき、ショートは50%の確率でアウト、つまり50%の確率でヒットになる打球をアウトにしたため、1-0.5=0.5のプラス評価を受けます。この0.5に得点価値(その打球がヒットになった場合とアウトになった場合にどのくらい得点に影響するか)を掛け合わせた値がそのプレーの評価点となります。
逆に、このゴロをサードもショートも追いつけずヒットになった場合、サードは0.7、ショートは0.5のマイナス評価を受け、それに得点価値を掛け合わせた値が評価点となります。
UZRにおける評価まとめ
上記を簡単にまとめると、難しい打球をアウトにすればプラス、簡単な打球をアウトにできなければマイナスとなります。
さらにこの評価点にランナー状況やアウトカウントなどの補正を行い、最終的な評価点となります。
このように、打球一つ一つに対するプレーに評価点をつけ、それを合計したものがUZRとなります。
UZRの注意点
この章ではUZRを用いる際の注意点について解説していきます。
UZRの注意点①:算出した機関によって値が異なる
UZRのゾーン区分や打球の分類は各算出機関によって異なります。そのため、計算方法が同じであっても算出機関によってUZRの値が異なる場合がある点に注意が必要です。
日本では、前述の通りデータスタジアム社とDELTA社がUZRを提供していますが、データスタジアム社は各リーグごとに6球団の平均、DELTA社は12球団の平均でUZRを算出しているため、値が異なります。
UZRの注意点②:ポジション間の比較ができない
UZRはそのポジションごとの評価ですので、ポジション間の比較はできません。
たとえ同じ外野手であっても、レフトの選手とセンターの選手をUZRを用いて比較することはできない点に注意が必要です。
UZRの注意点③:出場試合数の影響を受ける
UZRは打球一つ一つに対するプレーの合計点ですので、出場試合数の多い選手ほど値が大きくなる傾向にあります。
それを補正するため、DELTA社は1000イニングあたりのUZRを示すUZR/1000を提供しています。
ゴールデングラブ賞は妥当?2018年度ゴールデングラブ賞選手のUZR一覧
ゴールデングラブ賞は日本で唯一の守備に関するタイトルですが、この賞は記者の投票によって決められているため、記者の主観的な評価という側面が強い印象を受けます。
この章では、2018年度ゴールデングラブ賞受賞者のUZRとUZRランキングから、ほんとうに守備力の高い選手がゴールデングラブ賞を獲得したのか、セリーグとパリーグに分けて検証していきます。
※ピッチャー、キャッチャーは除く
※データはDELTA社が提供しているもの(12球団でのUZR)を使用
※ランキングは規定守備イニング(チーム投球回/2)以上の選手のみ
セリーグ:2018年度ゴールデングラブ受賞選手のUZR一覧
まずはセリーグのゴールデングラブ受賞選手におけるUZRを見ていきましょう!
選手名 | 球団 | ポジション | UZR | UZRランキング |
J. ロペス | DB | ファースト | -1.6 | セリーグ2位 |
菊池涼介 | C | セカンド | 9.6 | セリーグ1位 |
宮崎敏郎 | DB | サード | -11.3 | セリーグ5位 |
田中広輔 | C | ショート | 2.2 | セリーグ4位 |
丸佳浩 | C | 外野手(センター) | -4.3 | セリーグ4位 |
大島洋平 | D | 外野手(センター) | 11.9 | セリーグ1位 |
平田良介 | D | 外野手(ライト) | 11.9 | セリーグ1位 |
※赤字はリーグ1位、赤太字は12球団1位、青字はリーグ最下位、青太字は12球団最下位
まず、セカンド部門・菊池涼介選手と外野手部門・大島洋平選手は12球団1位のUZRと文句なしの守備力を誇っています!同じく外野手部門・平田良介選手もUZRセリーグ1位と妥当な選出と言えますよね。
問題なのはサード部門・宮崎敏郎選手と外野手部門・丸佳浩選手です。丸選手はセンターでセリーグ最下位、宮崎選手はサードで12球団最下位のUZRとレギュラー核の選手として守備力に関しては問題となるレベルですよね。
さらに丸選手は守備率.996とエラーは少ないですが、宮崎選手に関してはエラー11個で守備率.963と12球団最下位となっています。両者ともに守備面のタイトルであるゴールデンクラブ賞を獲得したことには疑問符がつきますよね。記者の方々の印象としては良く映ったのかもしれませんが…。
【5.11 ズムスタ】プーさん、フリー打撃中に足攣った?のかスプレーして様子みてたけど、守備練習もこなし、試合出てたから安心した☺️ #baystars #宮崎敏郎 pic.twitter.com/6IDYviOZgr
— Nao (@kmkntwdtys) May 11, 2019
ショート部門・田中広輔選手に関してもUZRセリーグ4位となっており、受賞が妥当かどうかの判断には個人的には疑問です。ファースト部門・J.ロペス選手はセリーグ2位のUZR、エラー数は0個で守備率1.000であるため受賞は妥当と考えられます。
パリーグ:2018年度ゴールデングラブ受賞選手のUZR一覧
次にパリーグのゴールデングラブ受賞選手におけるUZRを見ていきましょう!
選手名 | 球団 | ポジション | UZR | UZRランキング |
中田翔 | F | ファースト | 2.0 | パリーグ4位 |
中村奨吾 | M | セカンド | 6.5 | パリーグ1位 |
松田宣浩 | H | サード | 13.5 | パリーグ1位 |
源田壮亮 | L | ショート | 30.9 | パリーグ1位 |
秋山翔吾 | L | 外野手(センター) | -1.2 | パリーグ4位 |
柳田悠岐 | H | 外野手(センター) | 2.1 | パリーグ3位 |
西川遥輝 | F | 外野手(センター) | 6.2 | パリーグ1位 |
※赤字はリーグ1位、赤太字は12球団1位、青字はリーグ最下位、青太字は12球団最下位
パリーグはセリーグよりもUZRランキングが高い選手が多いですね。ショート部門・源田壮亮選手を筆頭にサード部門・松田宣浩選手、セカンド部門・中村奨吾選手、外野手部門・西川遥輝選手は12球団orパリーグUZRランキング1位と文句なしの受賞です!
守備練習中の中田翔&杉谷拳士選手。
ミスした翔さんを全力でからかう杉谷くん。 pic.twitter.com/JTRoF5Llik— ブリス子 (@bliss_ko) October 4, 2015
ファースト部門・中田翔選手、外野手部門の秋山翔吾選手、柳田悠岐選手はUZRの観点からみると他にもっと守備力の高い選手がいます。この3選手は話題性のあるプレーヤーですので、記者の方々の印象も良かったのでしょう。
また両チーム通じて外野手部門の選出には、6名中5名とセンターの選手が多いのも特徴的です。センターは外野の司令塔とも言われ、外野の中では特に華のあるポジションだからなのでしょうか。
UZRでプロ野球選手の真の守備力を評価!まとめ
ここまで、セイバーメトリクス指標のひとつである『UZR』について解説してきました。
UZRは試合中の様々な打球に対するプレーを一つ一つ点数化、その合計値で表された指標であり、選手の真の守備力をあらわすことができる指標であると言えます!
今日から選手の守備力を評価するときには、『UZR』を使ってみてくださいね!
以上、あおなによるUZRの解説でした!最後まで読んでいただきありがとうございました!
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